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特集 高齢者の脊柱変形Up to Date
第2章 治療
高齢者脊柱変形に対する保存療法—胸腰椎部・骨盤:運動療法
Back Strengthening Exercise for Elderly Patients with Spinal Deformity
本郷 道生
1
,
宮腰 尚久
2
,
島田 洋一
2
Michio HONGO
1
,
Naohisa MIYAKOSHI
2
,
Yoichi SHIMADA
2
1秋田大学医学部附属病院整形外科
2秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系整形外科学講座
1Department of Orthoedic Surgery, Akita University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊柱変形(spinal deformity)
,
運動療法(exercise)
,
背筋力(back extensor strength)
Keyword:
脊柱変形(spinal deformity)
,
運動療法(exercise)
,
背筋力(back extensor strength)
pp.339-344
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200600
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はじめに
高齢者では,骨粗鬆症患者における椎体骨折後の変形や,椎間板,靭帯の変性,筋力低下などを原因として,後弯などの脊柱変形をきたす14).また,高齢者の脊椎疾患において,腰部脊柱管狭窄症もしばしばみられる.脊柱変形や腰部脊柱管狭窄症の存在は加齢とともに進行し,腰背部痛,下肢痛,身体機能低下,肺機能や胃腸障害など腹部臓器障害を生じて生活の質(QOL)を悪化させるなどさまざまな健康障害を引き起こし,生存率にも影響する5).脊柱後弯に伴うQOLの低下にはさまざまな因子が関連し,中でも脊柱可動性,腰椎前弯度,そして背筋力が重要である21).したがって,脊柱後弯に対するリハビリテーションでは,背筋力増強,脊柱可動性の獲得,そして腰椎前弯の維持をターゲットとした運動療法が有用と考えられる.本稿では,高齢者の脊柱後弯を主体とした脊柱変形に対する体幹の運動療法,および腰部脊柱管狭窄症に対する運動療法について述べる.
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