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特集 高齢者の脊柱変形Up to Date
第2章 治療
高齢者の脊柱変形手術における周術期合併症の予防と対策
Prevention and Treatment of Surgical Complication for Elderly Spinal Deformity Surgery
小林 祥
1
,
松山 幸弘
1
Sho KOBAYASHI
1
,
Yukihiro MATSUYAMA
1
1浜松医科大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
脊柱変形(spinal deformity)
,
脊柱骨切り術(Spinal osteotomy)
,
手術合併症(Surgical complication)
Keyword:
脊柱変形(spinal deformity)
,
脊柱骨切り術(Spinal osteotomy)
,
手術合併症(Surgical complication)
pp.469-476
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200616
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はじめに
成人脊柱変形手術では,椎骨骨切り術(posterior column osteotomy〔PCO〕,pedicle subtraction osteotomy〔PSO〕,vertebral column osteotomy〔VCR〕)を駆使することにより,癒合した脊柱変形でも矯正することが可能となった.一方で,小児脊柱側弯手術と比較して成人例では手術合併症が高いことが報告されている23).さらに,成人の中でも特に高齢者は予備力も低く,合併症率が高く報告されている21,22).
近年の多施設の大規模統計7,24)においても,手術合併症はなくならないことが示されている,そのため,過去の合併症に学び備えるとともに,予後を考えて合併症による被害を最小にする手段を講じることが重要である.合併症の中でも術後創部感染と深部静脈血栓症の予防については日本整形外科学会の診療ガイドラインが存在するため,議論の余地はあまりない.そこで,本稿では死亡合併症と神経合併症の頻度と原因について概説する.また,Scoli-Risk-1 studyの結果や日本脊椎脊髄病学会,日本側弯症学会で行った国内多施設研究の結果を踏まえ,高齢者脊柱変形手術における合併症を防ぐための対策について述べる.
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