Japanese
English
特集 病態に応じた腰痛のリハビリテーション診療
高齢者の脊柱変形に伴う腰痛
Rehabilitation for spinal deformity in the elderly with low back pain
島田 洋一
1
,
本郷 道生
1
,
宮腰 尚久
1
Yoichi Shimada
1
,
Michio Hongo
1
,
Naohisa Miyakoshi
1
1秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系整形外科学講座
1Department of Orthopedic Surgery, Akita University Graduate School of Medicine
キーワード:
腰痛
,
脊柱変形
,
運動療法
,
高齢者
Keyword:
腰痛
,
脊柱変形
,
運動療法
,
高齢者
pp.827-834
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202031
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はじめに
高齢者では,骨粗鬆症患者における椎体骨折後の変形や,椎間板,靱帯の変性,筋力低下などを原因として,後弯などの脊柱変形を来す1).脊柱変形は加齢とともに進行し,腰背部痛,下肢痛,身体機能低下,肺機能や胃腸障害など腹部臓器障害を生じて健康関連QOL(health related quality of life;HRQOL)を悪化させるなどさまざまな健康障害を引き起こし,生存率にも影響する2).成人脊柱変形に関して2012年に報告されたScoliosis Research Society(SRS)-Schwab分類は,特に矢状面アライメントの悪化とHRQOLとの関連に基づいている.脊柱後弯に伴うQOLの低下には,さまざまな因子が関連し,なかでも脊柱可動性,脊柱アライメント,そして背筋力が重要である3,4).したがって,脊柱後弯に対するリハビリテーションでは,背筋力増強,脊柱可動性の獲得,そして腰椎前弯の維持をターゲットとした運動療法が有用と考えられる.本稿では高齢者の脊柱後弯を主体としたに脊柱変形の病態と,運動療法,そして手術療法について述べる.
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