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特集 高齢者の脊柱変形Up to Date
第2章 治療
高齢者脊柱変形に対する保存療法—薬物療法,ブロック療法
Efficacy of Medication and Injection for Back Pain in Patients with Spinal Deformity
大鳥 精司
1
,
折田 純久
1
,
稲毛 一秀
1
,
江口 和
1
,
藤本 和輝
1
Seiji OHTORI
1
,
Sumihisa ORITA
1
,
Kazuhide INAGE
1
,
Yawara EGUCHI
1
,
Kazuki FUJIMOTO
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
1Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
キーワード:
腰痛(low back pain)
,
脊柱変形(spinal deformity)
,
投薬(medication)
Keyword:
腰痛(low back pain)
,
脊柱変形(spinal deformity)
,
投薬(medication)
pp.345-350
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200601
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はじめに
非特異的腰痛には,ぎっくり腰,筋膜性,椎間板性,椎間関節性,神経根性などが含まれる.慢性腰痛患者へのブロック注射から得られた知見からは,疼痛発生部位の可能性として,椎間板の可能性39%,椎間関節の可能性15〜32%,仙腸関節の可能性13〜18.5%と報告された16).近年,高齢化社会を迎え,骨粗鬆症,それに付随するサルコペニア,脊柱変形の患者が増加している.実際にPubmedにて検索してみた場合,椎間板や神経根由来の腰痛の研究はここ数年プラトーに達しているが,骨粗鬆症,筋由来の腰痛研究は年々増加の一途である.脊柱変形(後側弯)の症状として,頑固な腰痛,バランス異常のための歩行障害があるほか,ときに逆流性食道炎がある.日常診療において,高齢者脊柱変形由来の腰痛に対し,理学療法,運動療法,薬物療法などの保存療法が行われるが,一般の腰痛疾患に比較し抵抗性のことが多い.本稿では,その背景,薬物療法の実際について記載したい.
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