Japanese
English
特集 高齢者の脊柱変形Up to Date
第2章 治療
高齢者脊柱変形に対する保存的治療—頸部
Conservative Therapy for Spinal Deformity in Elderly Patients:Cervical Spine
木村 敦
1
Atsushi KIMURA
1
1自治医科大学整形外科
1Department of Orthopaedics, Jichi Medical University
キーワード:
保存的治療(conservative therapy)
,
運動療法(exercise therapy)
,
神経障害性疼痛(neuropathic pain)
Keyword:
保存的治療(conservative therapy)
,
運動療法(exercise therapy)
,
神経障害性疼痛(neuropathic pain)
pp.332-337
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200599
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
日本国内の筋骨格系の慢性疼痛の調査では,頸部痛の頻度は55%と腰痛に次ぐことが報告されている8).こうした慢性頸部痛には,いわゆる肩こりや,作業に関連した頸肩腕症候群が含まれると考えられ,すべてが治療の対象となるものではない.しかしながら,最近の人口の高齢化を反映し,多発する椎間板変性や,骨粗鬆症,サルコペニアを基盤として発症した,脊柱変形に関連した頸椎疾患が増加している.
変形を伴う頸椎疾患では,矢状面アライメントの評価が重要となり,これまでは頸椎局所でのみ行われていた病態の解析が,全脊椎,さらには骨盤や下肢を含めた,より広い範囲で行われるようになった.本稿では,加齢によって生じる頸椎の生理的なアライメント変化,高齢者の頸椎変形と全脊椎矢状面アライメントとの関連について述べ,さらに変形に伴う痛みや機能障害に対する保存的治療について,最近の知見を要約する.
Copyright © 2017, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.