Japanese
English
特集 慢性腰痛(非特異的腰痛)
慢性腰痛(非特異性腰痛)の治療
The Treatment of Chronic and Non-specific Low Back Pain
鈴木 秀典
1
,
田口 敏彦
1
Hidenori SUZUKI
1
,
Toshihiko TAGUCHI
1
1山口大学大学院医学系研究科整形外科学
1Department of Orthopedic Surgery, Yamaguchi University Graduate School of Medicine
キーワード:
慢性腰痛(chronic low back pain)
,
非特異性腰痛(non-specific low back pain)
,
腰椎椎間関節症(facet pain syndrome)
Keyword:
慢性腰痛(chronic low back pain)
,
非特異性腰痛(non-specific low back pain)
,
腰椎椎間関節症(facet pain syndrome)
pp.35-41
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200280
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はじめに
腰痛症のうち原因が特定できない腰痛が,85%もあるといわれるようになって久しい1,3).MRIなどの画像検査の進歩にもかかわらず,椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などと診断できる腰痛は15%程度と報告されている.この原因が特定できない腰痛症が非特異性腰痛と捉えられ,一般国民にとっては腰痛の85%は原因のまったくわからない,診断できない腰痛と捉えられている傾向にある.しかし実際には,詳細な問診,神経学的所見を含めた身体所見に関する丁寧な診察を行えば,非特異性腰痛といえども,その原因の多くは特定でき,治療に結びつくことが多いと感じている.本稿では,エビデンスに基づいた慢性腰痛に対する薬物治療やブロック療法について述べる.また,非特異性腰痛のうち比較的頻度の高い原因である腰椎椎間関節症に関して,山口県で施行した疫学調査のデータを示すとともに,当科で施行している,多裂筋compound muscle action potential(CMAP)モニタリングによる後枝内側枝電気焼灼術の実際と治療成績について述べる.
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