Japanese
English
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非特異性尿路感染症
NON-SPECIFIC URINARY TRACT INFECTIONS
岩田 正三
1
Shozo IWATA
1
1国立東京第二病院皮膚科泌尿器科
1Department of Dermat-Urology, The 2nd Tokyo National Hospital
pp.393-396
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203757
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I.はじめに
本感染症の細菌の種類,耐性については従来より屡々報告があり特に目新らしいものではないが抗生物質の発達,普及による影響として感染症に於ける菌種の分布の変化,最近耐性菌の出現の増加等が云われるのは当然考えられる事である。細菌の感染経路の比較的明かなもの,即ち留置カテーテル使用による膀胱炎に就いては菌種が従来と異り抗生物質にも平常余り使用されないものが効果的である事は既に報告4)し,又尿路結石症の保存的手術後に於ける感染でもこれと同じ様な傾向のある例が起きつつある事も述べ5)た。しかも現今では尿路感染菌には抗生物質耐性菌が増加していると一般に云われているが,日常我々が扱う単純な細菌性膀胱炎では治療に尚それ程困難を感じないし腎盂腎炎にしても仲々抗生物質にて治癒し難いものも少い。従つて尿路感染症にて最近云われる耐性菌の増加は前述の手術後外部より感染される恐れの多いもののみであるが,その他一般の尿路感染症にも存在するかを検討する為に感染菌種の分類をすると共に抗生物質への感受性試験を行い,先に報告4)した感染症のこれと比較して尿路感染症全体に対する菌の状態,治療の概念を得ようとした。
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