Japanese
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特集 慢性腰痛(非特異的腰痛)
脳機能画像からみた慢性腰痛(非特異的腰痛)の病態
The Mechanisms of Chronic Low Back Pain Using Functional Brain Imaging
関口 美穂
1
,
紺野 愼一
1
Miho SEKIGUCHI
1
,
Shinichi KONNO
1
1福島県立医科大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University
キーワード:
慢性腰痛(chronic low back pain)
,
機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging)
,
脳活動(brain activity)
Keyword:
慢性腰痛(chronic low back pain)
,
機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging)
,
脳活動(brain activity)
pp.29-34
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200278
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はじめに
慢性疼痛患者では,精神的健康度が低く治療難航例が多く,約70%が1年以上通院している11,12).長期間の通院により,腰痛に費やす医療コストは巨額となる.従来,腰痛は局所のみの問題とされ,腰痛発生の原因として外傷の存在と,画像検査からの形態学的異常で診断されてきた.しかし,腰痛は,このような解剖学的な脊椎の障害ではなく,形態・機能障害として「生物・心理・社会的疼痛症候群」として捉える必要がある7).生物学的因子とともに,心理的因子,社会環境的因子,価値観,疼痛による生活の障害や不安などが複雑に絡み合っていることから,脊椎障害としてではなく,多面的に診察することが重要である.その1つに,脳における疼痛認知に関連する研究が着目されている.
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