Japanese
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綜説
非特異性尿路感染症
NONSPECIFIC INFECTION OF THE URINARY TRACT:GENERAL CONSIDERATION
近藤 賢
1
Masaru KONDO
1
1関東労災病院泌尿器科
1Department of Urology, Kanto-Rohsai Hospital
pp.379-383
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203269
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I.緒言
抗菌性の化学療法剤や抗生物質の出現当初にはこれで感染症の治療はすべて解決するのではないかと期待された。しかしその後の種々の報告によれば抗菌性薬剤は必ずしもその問題を解決せず,逆に従来より複雑な問題をもひきおこしてきた。特に抗菌性薬剤投与による感染菌の耐性獲得及び菌交代という相関連した問題は最も重要な課題として関心を集めている。
宿主内の病原体の増殖を抑制する化学物質を投与すると病原体がその薬剤に対する耐性を獲得するという事実はEhrlichにより初めて指摘された。しかしこの発見は発表後長い間否定され,サルファ剤出現後に細菌感染に関して再確認された。そうして現在では薬剤投与による耐性獲得を否定する人はいなくなつている。この事実が認められて次に問題となつたのは耐性獲得の機序である。
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