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特集 臨床現場での脳・脊髄連関
多発性硬化症,視神経脊髄炎
Multiple Sclerosis and Neuromyelitis Optica
三須 建郎
1
Tatsuo MISU
1
1国立病院機構八戸病院神経内科
1Division of Neurology,National Hospital Organization Hachinohe National Hospital
キーワード:
多発性硬化症(multiple sclerosis)
,
視神経脊髄炎(neuromyelitis optica)
,
横断性脊髄炎(transverse myelitis)
Keyword:
多発性硬化症(multiple sclerosis)
,
視神経脊髄炎(neuromyelitis optica)
,
横断性脊髄炎(transverse myelitis)
pp.623-628
発行日 2015年7月25日
Published Date 2015/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200170
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はじめに
多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)や視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)は,いずれも脳や脊髄に繰り返し炎症や脱髄をきたす疾患である.近年,NMOでは抗アクアポリン4(AQP4)抗体が診断上有用であり,検査である程度診断ができるようになってきているが,必ずしも血清学的検査のみで解決しない症例も多い.また,MSやNMOの有病率は飛躍的に増加傾向にあり,その病態の理解や治療法も急速に発展してきている3).MSやNMOの実に6割は何らかの脊髄症状にて発症することが知られているが,ほかの脊髄関連疾患との鑑別が難しい場合が少なくない.そのため,特徴的な症状や再発などの経過がないかを確認するなど,その疾患の理解が早期診断において非常に重要である.本稿では,これまでに知られているMSやNMOの特徴について紹介し,脊髄疾患との鑑別上のポイントについて概説する.
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