特集 神経疾患の現在とこれから
診療の最前線
多発性硬化症・視神経脊髄炎
岡本 智子
1
1国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科
キーワード:
多発性硬化症
,
視神経脊髄炎
,
疾患修飾薬
Keyword:
多発性硬化症
,
視神経脊髄炎
,
疾患修飾薬
pp.1247-1252
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1247
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Summary
▪多発性硬化症(MS)は,自己免疫機序が関与する中枢神経系の炎症性脱髄性疾患である.
▪MSの疾患修飾薬(DMD)は,症例に合わせてリスクとベネフィットを考慮して選択する.
▪視神経脊髄炎類縁疾患(NMOsd)は,抗アクアポリン4(抗AQP4)抗体が関与し,視神経や脊髄に病巣の主座がある中枢神経系炎症性疾患だが,抗AQP4抗体陰性例でも特徴的な脊髄・脳病変でNMOsdと診断される例がある.
▪MSとNMOは再発寛解を繰り返し類似した臨床像をとるが,再発抑制のための治療法が異なるため両者を注意深く鑑別することが重要である(表1).
© Nankodo Co., Ltd., 2019