連載 作業療法を深める・第94回
医療・健康分野におけるシリアスゲームの可能性を考える
シン・ジュヒョン
1
Juhyung Shin
1
1立命館大学 衣笠総合研究機構
pp.994-999
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203935
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はじめに
シリアスゲームとは,“シリアスな(真面目な)”目的をもつゲームを指す.商業用ゲームが「エンターテインメント性」を優先するのに対し,シリアスゲームはスキルアップや知識の習得等の目的をもち,教育,医療,広告,防衛,社会運動等といった幅広い分野で活用されている.
COVID-19の影響とともに遠隔診断のような医療サービスの変化が現れ,医療・健康分野においてもデジタル化が進展している.デジタル技術を治療に用いるDTx(Digital Therapeutics)やDigital Healthという用語が登場し,VRやXRといったテクノロジーを活用した医療・健康分野に特化したシリアスゲームの導入も増加している1,2).これらの医療・健康分野におけるシリアスゲームは,日本や韓国をはじめとする東アジア地域においても需要が高まり,その開発や活用が増加している.
一方,医療・健康分野におけるシリアスゲームの開発やその効果に関する事例は増加しているものの,同ゲームに関する学術的アプローチはいまだに十分ではない.そこで本稿では,医療・健康分野におけるシリアスゲームの動向と活用事例を整理したうえで,そこにあるシリアスゲームの課題と可能性を検討していきたい.
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