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特集 ゲームで広がる世界を知ろう
シリアスゲーム:ゲームのもつチカラの活用法
Serious Games: How to Apply the Power of Games
古市 昌一
1
Masakazu Furuichi
1
1日本大学 生産工学部 数理情報工学科
pp.957-963
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202213
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Key Questions
Q1:ゲームがもつチカラとは?
Q2:シリアスゲームとは?
Q3:作業療法士がシリアスゲームを開発できるようになるには?
はじめに
ゲームはとても不思議な2つのチカラをもっている.“人の知的好奇心をあおるチカラ”と“人を夢中にさせるチカラ”である1).この2つのチカラは,心理学の世界では動機づけ理論2,3)として知られ,人のやる気向上と活動の継続的実施のため,さまざまな研究が行われ,教育・訓練や医療等の現場で実践されている.
しかし,わが国では“ゲーム”に対するシリアスな現場における社会的な受容度が低く,たとえば教育の現場ではゲームは勉強を阻害するものと考えられ,規制の議論が盛んである.一方,筆者はこれとは真っ向から反対する考えで,子どもたちの知的好奇心をあおり,夢中にさせる授業を教員が行い,市販のゲームより魅力的な教材を教員自らが開発できるようになれば,ゲームの受容度は向上すると考えている.
前者はゲームがもつ要素を授業等,さまざまな活動に活かすことで,“ゲーミフィケーション”と呼ばれる4).後者はeラーニング,またはEdTech5)と呼ばれる教材も含まれるが,ゲームがもつさまざまな要素を盛り込んだ電子教材としての一般名称は後述する“シリアスゲーム”6)である.
本稿では,ゲームがもつチカラについて概説した後,シリアスゲームの構築法と構築事例を紹介する.続いて,OTの方が自らシリアスゲームを3日間で開発可能なイベントであるシリアスゲームジャムについて紹介し,シリアスゲームの今後のさらなる可能性について述べる.
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