「あぜみちジャンピンッ！」―聴覚障害中学生を主人公にした楽しくもシリアスなドラマ

　「あぜみちジャンピンッ！」（監督/西川文恵）は，新潟県魚沼地方で暮らす一人の聾学校中学部女子生徒が，ストリートダンスチームと出会い，ダンス大会に向けて仲間と共にぶつかり合いながらも成長していく物語である．このように概括すると，ベタな（新鮮味のかけらもない型通りの）青春ドラマにみえるが，さすが国際的な児童映画祭の受賞作だけのことはあり，シリアスで骨太なテーマを内包させている．

　一つは，「対等・平等」と「同情・憐れみ」の差異に迫ろうとしていることだ．