増刊号 テクニカルエイド—つくる自助具・使える自助具
第3章 かかわる時期・場所別の導入・支援の視点
5 訪問作業療法と自助具適合の捉え方
寺本 千秋
1
Kazuaki Teramoto
1
1紀州リハビリケア訪問看護ステーション
pp.745-750
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203868
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
訪問リハビリテーションにおける訪問作業療法の供給体制は,病院・診療所,老人保健施設からの訪問作業療法と訪問看護ステーションからの訪問作業療法がある(図 1)1).どちらも訪問作業療法であり,その内容に変わりはないが,かかりつけ医より直接指示書の交付を受けることができ,医療保険が優先される疾患の対応が可能となる訪問看護ステーションは,要介護認定3以上の状態である中重度者の対象者が多くなる傾向がある.
当事業所は訪問看護事業を主体として,通所介護事業,居宅介護支援事業,認定栄養ケア・ステーション事業の4事業を運営している.開設当初より,神経難病や重度心身障害児者を中心とした生活支援に力を入れて運営しており,現在も利用者の多くは中重度者で,利用者の要介護認定の平均介護度は3.2〜3.5となっている.
自立支援は障害の程度とは関係がなく大切なことであり,自立支援を目的とした訪問作業療法は,生活支援で重要な役割を担っているが,その中でも福祉用具・機器,自助具,住宅改修等の環境調整での活躍が期待される.ここでは訪問作業療法実践から考える自助具適合の捉え方について述べる.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.