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はじめに
欧米の国々に比べて,わが国の身障者や老人など,からだの不自由な人たちのための社会福祉対策の貧困ということがよく論議される.なかでも,身障者の生活に欠くことのできない補装具や自助具の研究,開発については,まるで遅れているというのが,今までの状態であった.
しかし.ここ数年余り,わが国の身障者や老人対策は徐々に改善されている.もの珍しそうにみられ,外出もはばかれた車いすの人たちも,街の中に姿を出すようになった.車いすのための新しい街づくりも,全国にモデル都市を指定して,少しずつ進められている.
一方,日常生活の不自由を補うための自助具の研究,開発も少しずつ進められている.全国の病院,リハビリテーションセンターなどで,作業療法士(以下OTと略す)の人々を中心に患者のための自助具がいろいろと考案されている.また,関係者による情報交換も盛んになった.社会福祉機器展もにぎにぎしく開催されるようになった.新聞や雑誌,テレビなどにも,自助具特集が取り扱われるようになった.このように,豊かな情報が得られるようになったことは,まことに嬉しい現実であるがここに困った問題もある.
というのも,情報で得た自助具の中で,自分の欲しいと思ったものが,すぐ買いもとめることができないことである.それらは外国製品が多く,従って,輸入品として高価でありまた,外同人と日本人のサイズの違いなどにより,必ずしもすぐ利用できないからである.
以上のような現状の中で,我々,日本リウマチ友の会では,会員へのサービスとして,自助具の研究,紹介,そして頒布につとめなければならなくなった.
しかし,与えられたテーマの「私たちの工夫した自助具」はまだ,ほんの数点にすぎないので,それらを中心に,慢性関節リウマチ(以下RAと略す)患者の実情,日常生活自助具の必要と利用など,会員のアンケート結果をもとに触れたいと思う.
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