増刊号 テクニカルエイド—つくる自助具・使える自助具
第3章 かかわる時期・場所別の導入・支援の視点
2 患者の“活動”を向上し,主体的な“参加”を支援する自助具を活用して行う超急性期からの作業療法
寺村 健三
1
,
坂本 あきな
1
,
中家 奈々
1
,
西山 涼子
1
,
下江 隆司
2
,
幸田 剣
3,4
Kenzo Teramura
1
,
Akina Sakamoto
1
,
Nana Nakaya
1
,
Ryoko Nishiyama
1
,
Takashi Shimoe
2
,
Ken Koda
3,4
1和歌山県立医科大学附属病院
2和歌山県立医科大学(整形外科学講座)
3和歌山県立医科大学附属病院(リハビリテーション部)
4和歌山県立医科大学(リハビリテーション医学講座)
pp.728-734
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203865
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はじめに
急性期病院においては,短い平均在院日数の中で重症度や医療・看護必要度が高い重症患者に対して集中治療が遂行されている.また,わが国は超高齢社会であり,リスクが高い合併症を抱えた超高齢者に対しても高侵襲手術治療が施されている.2024年度(令和6年度)診療報酬改定でも,ADLの低下の防止等を効果的に行うため,より早期から切れ目のない多職種による取り組みを推進するように見直しが行われた.
そのような状況下で当院の作業療法士も,患者の活動の向上と参加の支援を重視し,治療チームに加わり,作業療法を実施している.たとえ,集中治療室(ICU)で治療中の患者でも,回復期あるいは生活期と同様に活動の向上が求められる.特に急性期では,ひいては生命予後を改善させ得る活動の向上に寄与する治療が重要である.したがって,治療はImpairmentレベルから始まり,ADL障害の改善と同時に生活の質(QOL)の向上を目指すことが重要である.これらを兼ね備えた治療として,作業療法の手段の一つである「自助具」の活用がある.本稿では,当院の施設概要,対象疾患,そして,急性期における自助具を用いた作業療法を紹介する.
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