増刊号 テクニカルエイド—つくる自助具・使える自助具
第3章 かかわる時期・場所別の導入・支援の視点
3 介護老人保健施設におけるテクニカルエイド
西 聡太
1
Sota Nishi
1
1介護老人保健施設 清雅苑
pp.735-739
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203866
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はじめに
介護老人保健施設(以下,老健)は“要介護者であって,主としてその心身の機能の維持回復を図り,居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し,施設サービス計画に基づいて,看護,医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設”と定義されている(介護保険法第8条第28項).施設基準には,作業療法士を含むリハビリテーション専門職の配置が義務づけられ,在宅復帰・在宅療養支援を目的とした介入がなされている.
昨今の介護報酬改定では,集中的なリハビリテーションによりADLの改善を促進することや,廃用を予防し活動・参加につながる支援を実施することが求められている.さらに,在宅復帰の促進に向け,入所者の自宅および自宅周辺のアセスメントや調理・掃除等の家事遂行練習等,個別・具体的な生活支援のリハビリテーションプログラムの充実が必要である.上記のような,介護保険領域において,対象者の大事な作業に焦点を当てて介入することを専門とする作業療法士の貢献が期待されている.
生活期におけるテクニカルエイドの活用は,ADLの介助負担を軽減する目的で使用される福祉用具や,自立支援,活動参加を目的とした自助具等,幅が広い.近年,介護老人保健施設清雅苑(以下,当苑)では,既存のアプリケーションを活用して利用者の自立支援を展開している.当苑の取り組みを紹介し,介護老人保健施設におけるテクニカルエイドの活用について述べる.
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