増刊号 テクニカルエイド—つくる自助具・使える自助具
第2章 疾患・障害別アセスメント—導入における考え方
6 脳性麻痺・重症心身障害児—自助具の安定が作用する姿勢制御と運動制御
米持 喬
1
Takashi Yonemochi
1
1大阪発達総合療育センター
pp.712-716
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203861
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はじめに
脳性麻痺児は,歩行や上肢活動等,生活のあらゆる場面で困難を伴う.日々の過剰な努力は,将来的に首や腰の痛み等の二次障害を構築する.これらを軽減するために,子どもの潜在能力を引き出す「発達支援」と,環境を調整して作業遂行しやすくなる「生活支援」の2つの視点で支援している.心身機能が発達すれば環境調整は軽減する.環境を調整することで潜在能力を発揮できる.これらが相互に作用し,子ども自身が動き方を学習すると,主体的にADLに取り組むようになる.自助具の導入により発達支援と生活支援の相互作用が循環し,大人の手から離れ,「一人でできた!」と思えたとき,思いがけない機能を発揮する場面を目の当たりにしてきた.今回は筆者が子どもの身体的特性を汲み取り,有効だった自助具や設定方法を紹介する.
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