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Key Questions
Q1:障害児通所支援の現状は?
Q2:障害児通所支援における感覚統合療法の現状は?
Q3:障害児通所支援における感覚統合療法の課題は?
はじめに
障害福祉サービスの障害児通所支援には,大きく「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」がある.児童発達支援は,主に未就学の障害のある子どもを対象に発達支援を提供するものとして位置づけられ1),主に通所利用児への療育やその家族に対する支援を行う「児童発達支援事業所」と,地域の中核的な支援施設として専門機能を活かし,地域の障害児とその家族の相談支援や障害児を預かる施設への援助・助言も行う「児童発達支援センター」がある2).放課後等デイサービスは,学校通学中の障害児に対して,放課後や夏休み等の長期休暇中に,生活能力の向上や社会との交流の促進等の支援を提供する2).
児童発達支援と放課後等デイサービスの事業所数・利用者数は,2012年度(平成24年度)の制度開始以降,年々増加している(図 1〜4) 3).利用者の障害種別については,2016年度(平成28年度)の調査で回答のあった児童発達支援の利用2万1,981人,放課後等デイサービスの利用2万7,234人の調査によると,児童発達支援では発達障害46.3%・知的障害18.1%,放課後等デイサービスでは発達障害50.3%・知的障害29.7%で,発達障害の割合が高く,次いで知的障害となっている4).児童発達支援と放課後等デイサービスでは,保護者のニーズとして専門性や個別支援を求められる印象があること,制度的にも専門的支援加算5)がある等,専門性が求められること等により作業療法士の求人が増え,養成校を卒業してすぐに民間事業所に就職する作業療法士,領域を変えて就職する作業療法士は増えている.そのような状況の中で,パンフレットやホームページ等に感覚統合を掲げている事業所・施設等が増えており,それは作業療法士が勤務していない事業所・施設等においても同様である.
児童発達支援・放課後等デイサービスを事業としている当事業所における感覚統合療法の実際を紹介するとともに,現状と課題について,民間の事業所に勤務する一作業療法士の立場から述べる.
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