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特集 感覚統合療法の効果と限界
障害児教育と感覚統合療法
Effects and Limitaions of Sensory Integrative Therapy: Sensory Integrative Therapy and Education for the Disabled Children
坂本 龍生
1
Tatsuo SAKAMOTO
1
1神戸大学教育学部
1Department of Education, University of Kobe.
pp.179-184
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103986
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Ⅰ.初めに
感覚統合療法がわが国に導入され,病院やリハビリ機関でオーソドックスな形で用いられるようになって,まだ10年ほどにしかならない.障害児教育の領域においてもそれに並行して,アプライドトレーニングの形で養護学校,障害児学級,発達遅滞幼児通園施設などで積極的に取り入れられ,実践されるようになってきたが現実には多くの問題を抱えているのが実状である.その経過と展開についてはすでに紹介しているので参照されたい注).特に障害児教育の多くを担っている養護諸学校では近年,障害の重い児童生徒への対応が重要な課題となり,医療的技術と教育・心理的技法が混然として模索されている情況が有る.1979年に養護・訓練という考えが養護学校指導要領に示され、感覚運動機能の向上という内容が,共通な教育目標の一つとなって以来,叙上の傾向はますます増大しているように思われる.
注)坂本龍生:発達障害と感覚統合に関する最近の研究展望.感覚統合研究2,協同医書出版,1985.
本稿はこういう流れの中で,感覚統合療法が障害児教育方法として取り組まれていくうえでの問題点を,最近試みたアンケート調査の結果からまとめ,対応的課題について若干の考察を行うのを目的としている.
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