増刊号 こんなときどうする? 運動器の作業療法ナビ
第2章 運動器に現れやすい症状と改善方法
2 関節拘縮の鑑別と治療のポイント
西村 誠次
1
,
多田 薫
1
,
堀江 翔
2
Seiji Nishimura
1
,
Kaoru Tada
1
,
Sho Horie
2
1金沢大学
2金沢大学附属病院
pp.727-732
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203049
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はじめに
関節拘縮は,関節内外の組織損傷や,受傷後および術後の関節固定等によって器質的な変化が生じ,関節可動域が制限されるものである.また骨・軟骨性,皮膚性,関節軟部組織性(関節包,掌側板等),腱・靭帯性(筋腱・靭帯の癒着等),筋性(内在筋拘縮,外在筋拘縮),神経性の要因に分類され,複数の要因による混合型が最も多く臨床で経験する(表).関節拘縮の治療を行ううえで,組織損傷と外科的治療法等を正しく理解して関節拘縮の要因を鑑別することは,外傷後のリハの実施において重要である.さらに上肢・手の機能とADLとの関連性を考慮し,リハ治療の適応と限界も理解しておく.関節拘縮によっては再建術等の外科的治療法も必要となるため,常に医師とセラピストとの連携を密にしておく.本稿では,関節拘縮の評価と治療における上肢・手の外傷後の基本的な知識と,関節拘縮の要因の鑑別ならびに治療上のポイントを紹介する.
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