Japanese
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症例報告
慢性期脳卒中患者に対するSaeboGloveの使用経験—両手動作の獲得を目指した装具療法
Experience of using SaeboGlove for chronic stroke patients:Orthosis therapy aiming at acquisition of both hand movements
入江 啓輔
1
,
伊関 浩克
1
,
中寺 智也
1
,
岡本 一宏
1
,
西村 誠次
2
,
影近 謙治
3
Keisuke Irie
1
,
Hirokatsu Iseki
1
,
Tomoya Nakatera
1
,
Kazuhiro Okamoto
1
,
Seiji Nishimura
2
,
Kenji Kagechika
3
1金沢医科大学病院リハビリテーションセンター
2金沢大学
3金沢医科大学
キーワード:
脳血管障害
,
装具療法
,
両手協調動作
Keyword:
脳血管障害
,
装具療法
,
両手協調動作
pp.1387-1391
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201552
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Abstract:母指や手指の随意伸展が困難な慢性期脳卒中片麻痺患者に対して,ADLにおける両手動作の獲得を目的に,欧米で使用されているSaeboGloveを用いた装具療法を実施した.装具装着後,外来作業療法では課題指向型練習を行い(2回/週),自宅では両手動作の自主練習を行った.装具療法導入前は,MALにおいてAOUは0.79点,QOMは0.79点であった.約半年間の作業療法実施後,AOUは1.85点,QOMは1.93点まで改善し,紐結びや茶碗の把持等が遂行可能となった.また,transfer packageを導入したことにより,それらのADLが生活に汎化された.本症例では,麻痺手の母指や手指の伸展機能を補助し,かつ装着したまま生活が可能な装具を選択した.その結果,症例が目標としていた両手動作が獲得でき,さらに生活に汎化したと考えた.SaeboGloveは,重度片麻痺患者に対して課題指向型練習を可能とし,装具を装着したまま生活をするという装具療法の目的を実現する可能性が示唆された.
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