Japanese
English
短報
全身性強皮症患者の手指拘縮に対するストレッチングの効果
Stretching is improves contracture of phalanges in patients with systemic sclerosis (SSc).
麦井 直樹
1
,
塩谷 真美
1
,
島崎 悦子
1
,
清水 恵里子
2
,
佐藤 伸一
2
,
西村 誠次
3
,
柴田 克之
3
,
生田 宗博
3
,
立野 勝彦
3
Naoki Mugii
1
,
Mami Shiotani
1
,
Etsuko Shimazaki
1
,
Eriko Shimizu
2
,
Shinichi Sato
2
,
Seiji Nishimura
3
,
Katsuyuki Shibata
3
,
Munehiro Ikuta
3
,
Katsuhiko Tachino
3
1金沢大学医学部附属病院作業療法部
2金沢大学医学部皮膚科
3金沢大学医学部保健学科
1Department of Occupational Therapy, Kanazawa University School of Medicine
2Department of Dermatology, Kanazawa University School of Medicine
3Department of Health Science, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
全身性強皮症
,
手指拘縮
,
ストレッチング
,
ROM
Keyword:
全身性強皮症
,
手指拘縮
,
ストレッチング
,
ROM
pp.933-936
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109600
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はじめに
全身性強皮症(以下,強皮症)は皮膚硬化症状を主症状とし,全身の結合組織に炎症と変性をきたし,最終的に線維性変化を起こしてくる疾患である.主たる皮膚病変である手指の皮膚硬化はほぼ必発の症状である1).また,関節症状は強皮症の初発症状としてレイノー現象に次いで頻度が高く,続いて皮膚症状である手指の浮腫感,こわばり感がある2).
これら皮膚硬化をベースに手指にみられるさまざまな症状は強皮症患者に手指の機能低下をもたらしている.強皮症の関節拘縮の成因ははっきりしていないものの,関節の拘縮は手指のMP,PIP,DIP関節に屈曲拘縮としてみられるのが特徴的である3).このような手指の機能低下はADLの障害をもたらす.
強皮症の治療には薬物療法と生活指導と共にリハビリテーションが行われる.しかし,強皮症の手指のリハビリテーションはその効果を示した報告はきわめて少なく4),近年,治療が進歩するなか,リハビリテーションの総論的な報告5,6)にとどまっている.
われわれは,強皮症の手指の関節可動域に対してストレッチングを基本としたリハビリテーションを行っている.今回ストレッチング開始1年後の経過を加え,強皮症の病型別に強皮症の手指の指縮に対するストレッチングの効果を検討した.
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