増刊号 こんなときどうする? 運動器の作業療法ナビ
第2章 運動器に現れやすい症状と改善方法
3 上肢各関節の機能改善のための知識・技術
西出 義明
1,3,4,5,6
,
竹田 敦
2
Yoshiaki Nishide
1,3,4,5,6
,
Atsushi Takeda
2
1もり整形外科・リウマチ科クリニック
2第一東和会病院
3大阪リハビリテーション専門学校
4大阪医療福祉専門学校
5箕面学園福祉保育専門学校
6神戸医療福祉専門学校三田校
pp.733-738
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203050
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はじめに
手外科医のBrand1)は,一時代前までセラピストによるリハは外科医からのイメージがよくなかったと述べている.それは,セラピストたちがありきたりの治療法を行うからであり,その結果,かえって患者の状態が悪くなることが少なくなかったからだという.しかし,一方でBrand1)は,患者の心を和らげ,治療を促進するのもセラピストであると指摘し,新しいセラピストに代わることで患者に別の緊張を与えてしまい治療がはかどらないことから,一人の患者の受傷時から社会復帰までに対し,一人のセラピストが最後まで責任を負うというハンドセラピィの考え方を提唱している.これは,セラピストへの期待とともに患者への大きな責任を表している.これらを全うするには,痛みや関節可動域制限の要因を捉えることが必須である.手指・手・肘関節の適切なセラピィのために,解剖・運動学的な考察を行い,実践することが重要である.
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