Japanese
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特集 脳腫瘍と作業療法
脳腫瘍患者のリハビリテーション診療
Rehabilitation care for patients with brain tumors
藤原 清香
1
Sayaka Fujiwara
1
1東京大学医学部附属病院
pp.232-236
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202432
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Key Questions
Q1:悪性脳腫瘍患者に生じる症状や障害にはどのようなものがあるのか?
Q2:悪性脳腫瘍患者のリハビリテーション治療上の課題とは?
Q3:退院後や終末期はどのようなサポートがあるのか?
はじめに
脳腫瘍は,脳の細胞や神経・脳を包む膜から発生する原発性脳腫瘍と,肺がんや乳がん等が脳に転移する転移性脳腫瘍に大別される.近年,治療法の進歩により,脳腫瘍患者の生存率は向上している.しかし,患者の多くは神経学的障害があり,身体的,認知的,心理社会的障害を伴うために,日常生活の活動や参加が制限されているという現実がある1,2).これまでの報告では,悪性脳腫瘍患者は入院中のリハで脳卒中や外傷性脳損傷患者と同等の機能改善が得られることが示唆されている3,4).しかし,稀少がんでもある原発性脳腫瘍はそのエビデンスも限られている.
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