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特集 小児リハビリテーションの5W1H─超少子時代を迎えて
第3章 小児リハビリテーションの実践
四肢形成不全児のリハビリテーション─治療の実践と包括的支援
Pediatric Rehabilitation for Limb Deficiency:Clinical Practice and Comprehensive Support
藤原 清香
1
Sayaka Fujiwara
1
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション科
キーワード:
ライフステージ
,
義肢装具
,
成長発達
,
多職種連携
,
多施設連携
Keyword:
ライフステージ
,
義肢装具
,
成長発達
,
多職種連携
,
多施設連携
pp.1355-1360
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034131355
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内容のポイント Q&A
Q1 What? 四肢形成不全児のリハビリテーション治療のポイントは?
成長期の身体機能の変化に対応するだけでなく,潜在的な能力を予測し,発達に伴う医学的課題や義肢の適応を検討することが求められる.さらに,本人の自己肯定感を育むための心理的ニーズへの配慮や,同じ仲間と出会うピアサポートの機会を提供することも極めて重要である.
Q2 What? 支援計画を立てる際,子どものどのような特徴を考慮すべきか?
欠損の部位やレベルといった身体的特徴に加え,年齢ごとの精神発達や言語発達,心理状態を把握することが不可欠である.乳児期には身体イメージの形成,学童期には友人関係や自己肯定感が重要である.また,保護者の状況も理解し,家族全体を支援する包括的な視点が求められる.
Q3 When? リハビリテーション診療はいつから始めるのが効果的であるか?
出生直後からの早期介入も推奨される.これは,早期から保護者の不安を軽減し,適切な育児支援を行うためである.また,乳児期から身体の一部として四肢の欠損側を認識し,粗大運動発達を促すことが,その後の義肢の受容や,代償的な運動パターンの偏りを予防するうえで重要となる.
Q4 How? Where? 専門病院と地域の施設や学校は,どう連携すればよいか?
役割分担と情報共有がポイントである.大学病院等の中核施設が診断や専門治療を担い,地域の療育センターが日常的な訓練を提供し,学校や家庭が生活の場で実践する.ICTを活用した遠隔カンファレンス等で,これらの「場」をつなぎ,一貫した支援を行うことも有効である.

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