Japanese
English
調査
日本のサリドマイド胎芽症者の現状—主観的な「痛み」とその対処方法の実態調査
Current situation of Thalidomide Embryopathy in Japan: survey of subjective pain and how to approach
小林 毅
1
,
藤谷 順子
2
,
前原 康宏
3
,
藤原 清香
4
,
芳賀 信彦
5
Takeshi Kobayashi
1
,
Junko Fujitani
2
,
Yasuhiro Maehara
3
,
Sayaka Fujiwara
4
,
Nobuhiko Haga
5
1日本医療科学大学保健医療学部
2国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科
3国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院麻酔科
4東京大学医学部附属病院リハビリテーション科
5国立障害者リハビリテーションセンター
1Faculty of Health Sciences, Nihon Institute of Medical Science
2Department of Rehabilitation, National Center for Global Health and Medicine
3Department of Anesthesiology, National Center for Global Health and Medicine
4Department of Rehabilitation Medicine, University of Tokyo Hospital
5National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
サリドマイド胎芽症
,
痛み
,
加齢
,
マッサージ
,
二次障害
Keyword:
サリドマイド胎芽症
,
痛み
,
加齢
,
マッサージ
,
二次障害
pp.1005-1010
発行日 2023年9月10日
Published Date 2023/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202932
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要旨 [目的]日本のサリドマイド胎芽症者は60歳前後となり,先天性の形態異常などに加えてさまざまな症状・障害が表面化してきている.今回,訴えの多い「痛み」に着目し,自覚とその対処方法を調査した.[方法]サリドマイド胎芽症者268名を対象に「痛み」とその症状に関係した調査を,オンラインフォームで実施した.[結果]94名からの回答を集計した結果,「痛み」については「毎日ある(25名)」,「ほとんど毎日ある(20名)」であった.痛みの対処方法である「マッサージなど」,「ジムなど」,「理学療法・作業療法・物理療法など」を受療する者34名のうち28名が効果の持続が1週間以内であり,その実施頻度を考えると対症療法にとどまっているものと考えた.[結論]サリドマイド胎芽症者では「痛み」を訴える者が多く,日常生活を制限していたが,対処方法の効果が十分ではなく,長続きしていなかった.そこで,サリドマイド胎芽症者の日常生活と生活の質の維持と向上に向けて,いくつかの具体的な支援方法を提案した.
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