Japanese
English
特集 現場で役立つ福祉用具—自助具・発達障害領域を中心に
手の機能の発達を促す
Promotions for the development of hand function
髙橋 知義
1
,
鴨下 賢一
2
Tomonori Takahashi
1
,
Kenichi Kamoshita
2
1株式会社LikeLab 保育所等訪問支援Switch
2株式会社児童発達支援協会 リハビリ発達支援ルームかもん
pp.20-28
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202366
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Key Questions
Q1:不器用さの要因は?
Q2:手の機能の発達を理解するには?
Q3:発達段階に応じた道具の使用とは?
はじめに
発達障害の特性の一つに不器用さがある.この不器用さは日常生活においてさまざまな困難さを引き起こす.食事では,スプーンやフォーク,箸がうまく持てない,食べこぼしが多い等の訴えがよく聞かれる.しかし,子ども自身はこれらの訴えに対して,苦手さや困難さを感じていないことがある.子どもはスプーンがうまく使えなければ,手づかみで食べる等して対応していく1).社会に適応していくために,発達に応じた道具の使用を促していく必要がある.
道具を使いこなすためには,手の機能の発達と理解力が求められる.手の機能の発達を促す取り組みの一つに自助具の活用がある.自助具は目的とする操作を補助したり,代替したりする道具で,「できないこと」を「できる」ようにしてくれる便利なものである.しかし,活用の仕方を間違えると逆にその道具に依存することになり,発達を阻害してしまうことにもつながる.子どもは発達過程にあることを踏まえ,発達段階に応じた取り組みが必要とされる.本稿では,手の機能の発達を促す方法として,スプーンから箸操作へ発達段階を踏まえながら,そこで使用できる自助具を紹介していく.
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