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Key Questions
Q1:学習に必要とされる支援とは?
Q2:子どもの背景に応じた福祉用具の特性とは?
Q3:学校場面での子どもの困りにOTはどう対応すればよいか?
はじめに
発達障害の分野において,対象児にとって学校への参加は社会的な観点から重要な課題の一つであり,友人との交流を含めた社会的スキルを獲得する場となる.一方で,学校生活の大半は「学習する時間」であり,学業の苦手さによって学校そのものに苦手意識をもってしまうことが問題となることも少なくない.文部科学省の「平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」1)でも,不登校児童は全体で16万人以上おり,学年の上昇とともに不登校児童も増え,その数は年々増加している.学内の問題を起因とした理由でも,「学業の不振」は,「いじめを除く友人をめぐるトラブル」に次いで2番目に多い21.6%となっている.
米国でのOTの介入領域の一つとして,発達障害児の学校適応支援が挙げられている.米国作業療法協会は,school-based practiceとして対象児の学校適応支援を基盤とした作業療法の実践を提唱している2).わが国でも日本作業療法士協会は,「第三次作業療法5カ年戦略」3)で,第二次より継続して特別支援教育への参画促進を重点項目としている.また,2016年(平成28年)より「障害者差別解消法」に基づき合理的配慮の義務化4)がなされたことにより,ますます学校にOTが求められている現状にある.
学校で合理的配慮を必要とする対象児の支援に役立つ視点を身につけることは,福祉用具の活用を知ることから始まる.本稿では,日々対象児の支援に活用されている福祉用具の一部を紹介する.
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