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特集 現場で役立つ福祉用具—自助具・発達障害領域を中心に
姿勢保持に必要な発達を促す—姿勢保持に着目する必要性
Promoting development of children for keeping correct posture: Necessity of focusing on posture holding
荻野 圭司
1,2
,
鴨下 賢一
3
Keiji Ogino
1,2
,
Kenichi Kamoshita
3
1多機能型事業所ひまわり コパンの杜
2札樽病院
3株式会社児童発達支援協会 リハビリ発達支援ルームかもん
pp.13-19
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202365
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Key Questions
Q1:子どもの発達の変化とは?
Q2:姿勢が崩れる原因は何か?
Q3:姿勢保持を促す取り組みとは?
はじめに
自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD),注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD),学習障害(learning disorders:LD)等の発達障害児では,運動のぎこちなさや筋力の弱さ等の発達性協調運動障害(development coordination disorder:DCD)を併発する児も少なくない.実際,臨床現場でも,疾患特性とは別に,多くの子どもで体育等の授業中のダイナミックな運動のぎこちなさや手先の不器用さに加え,姿勢に関する相談を受けることが多い.保護者等からの自宅での日常生活に加え,通園・通学先の保育士や教諭からも,「食事中の姿勢が崩れやすい」,「授業中にいつも机に伏せている」,「だらしなく見える」等,姿勢保持の困難さに対する指摘を受ける児が多い.
先行研究でも,発達障害における姿勢・協調運動・巧緻運動等の困難さを指摘する報告も散見され1,2),この運動面での問題が日常生活活動や学習,注意・集中へ影響することも指摘されている.さらに,これらに対して早期からの介入を行うことで,さまざまな活動によい影響を与えることが報告されている3).
本稿では,運動機能の中でも姿勢に焦点を当て,その改善に対しての介入の重要性について,臨床での試みも交えて解説していきたい.
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