講座 IT機器・ICTとリハビリテーション・第4回
—ICTと臨床業務②—発達障害領域のICT活用支援—現在と未来
髙橋 知義
1
,
小玉 武志
2
,
鴨下 賢一
3
Tomonori Takahashi
1
,
Takeshi Kodama
2
,
Kenichi Kamoshita
3
1株式会社LikeLab 保育所等訪問支援事業所Switch
2済生会西小樽病院 みどりの里
3静岡県立こども病院
pp.1020-1027
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200361
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
発達障害領域の作業療法は,脳性麻痺等の肢体不自由から自閉症スペクトラムや学習障害等の発達障害と幅広い障害を対象にしている.またその対象となる年齢も幼児期から成人期とさまざまである.ICTはそのさまざまな障害特性や機能制限,各年齢で困っていることに対して,できないことを代替してできるようにすることや,本来もっている能力を補助したり,拡張したりする一つのツールとして活用することができる.また,運動や認知,コミュニケーション,遊び,社会性等の発達を促す道具としても活用することができる.これらによって得られた「できる」,「わかる」といった体験や経験は,困難さがある人の「やりたい」という次の意欲を引き出し,発達を促すきっかけとなる.
発達障害領域のICT活用はVOCA(voice output communication aids:音声出力コミュニケーションエイド)等の専門的な福祉機器を用いた支援にとどまらず,スイッチとおもちゃをつないだシンプルテクノロジーの支援から始まり,スマートフォンやタブレット端末等の身近にあるテクノロジー(アルテク)1)を活用した支援と,さまざまである.
このICT関連の情報は時代とともにどんどん変化している.その情報を知っているのと知らないのとでは,支援の内容が大きく異なってくる.われわれOTは,これらの情報を共有していくことが重要である.今回,発達障害領域でICTがどのように活用されているのかを紹介していく.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.