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編集後記
澤 俊二
pp.1446
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202356
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特集は「脳卒中上肢麻痺に対するEBPの実際」です.私は心待ちにしていましたし,皆さんにとっても待ち望んでいた特集ではないでしょうか.友利氏が,「そもそもEBPは対象者にとって最良の医療を提供するための手段であり,さらにはOT自身の(最高の)自己研鑽にもなり得る.決して,ある介入法をランク付けしたり,療法士のエゴを満たすために使うものではない.まずはエビデンスが豊富な上肢麻痺からEBPを導入し,作業療法全般のEBPを推進,ひいては質的底上げにつながればと願ってやまない」と述べているように,まずは,「脳卒中上肢麻痺に対するEBPの実際」を十分に味わっていただきたいと思います.そして,EBPが備わった研究成果を一つでも臨床に活かしてみようと思われるなら,執筆者への最上のご返事になると思います.その他,研究報告も症例報告も,そして,連載も力作揃いであり,味わい深いですよ.楽しみました.
さて,私は,2003年(第37巻)から足かけ19年(第54巻)の長きにわたって編集委員をさせていただきました.編集を通して,作業療法のあり様と深さを詳細に学ばせていただいたこと,感謝に堪えません.作業療法は人権思想を体現するものだと実感いたしました.そして,編集委員のチームワークのよさと,作業療法を愛する編集スタッフの方々の知性と企画力があったればこそ,永続的に発刊されてきたことを身をもって知りました.また,さまざまな切り口で作業療法の醍醐味を語る,特に若いOTの登場に未来の作業療法の明るさを感じることができました.
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