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編集後記
澤 俊二
pp.382
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100104
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2013年(平成25年)2月16日に開催された,チーム医療推進協議会第3回勉強会のシンポジウムテーマは,「専門職教育のあり方を考える―卒前教育の現状と課題」であった.18団体が所属する同協議会では,それぞれの専門職教育を知り,教育制度やカリキュラムを改革することがチーム医療を推進していくには不可欠との認識をもっておられた.一般社団法人日本作業療法士協会を代表して私は,作業療法教育の現状と課題について語った.世界のどの国よりも養成校数が多いことをお伝えしたら,驚きの声が上がった.しかし,4年制ではないこと,理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則があり,改定からすで14年経っていること,さらに,WFOTの世界基準に準ずる臨床実習時間を審査基準としていることをお話しすると,悲嘆と感嘆が入り混じった溜息が聞こえてきた.ただ,どのように教育内容を変えていかなければならないかについては,具体的にはお話しができなかった.
そこに本特集である.具体的な変革の必要性について,本特集が応える形になったことを喜ぶ.50年前の米国の医学モデルを基準にして作業療法教育プログラムは組まれ,多くのOTを養成してきた.私もその一人である.しかし,今や井の中の蛙であるのではないか.世界基準と大きくかけ離れた姿に早く気づくべきではないか.吉川氏や齋藤氏は,世界の作業療法教育基準となった「クライエント中心の作業を基盤とした,ないしは焦点を当てたとした実践」を教育していくことを強く提案され,実践することは責務であると述べている.
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