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事例提示
Aさん,40代後半,男性,要介護 3,寝たきり度 C2,認知症自立度は自立
病歴:X年から身体の動かしづらさを感じ,1年後,右手の握力低下を自覚.X+2年5月,立ち上がれなくなったことをきっかけに受診しALSと診断された.その時点で右手は動かなくなっていた.8月中旬に自宅退院.リハ経験はなく,急遽ケアマネジャー主導で在宅支援チームが編成され,訪問支援を開始した.現病歴はALS,汗疹,便秘症
生活歴:東北生まれ.東京に転居し,事務仕事の契約社員として勤務.契約終了後はしばらく無職で過ごすことを繰り返していた.直近ではひきこもってインターネットをしていた(パチンコで稼いでいた様子あり).現在,日中は車いす上で食事をとる(見守り下での移乗を設定)他,ベッド臥床でマウスとキーボードを操作し,インターネットサイトを見たり音楽を聴いたりして過ごしている
家族:独居.キーパーソンの兄が隣県に在住しており,時々訪問して金銭の管理,書類管理を行っている.ヘルパーは買い物,食事の用意,移乗の見守り,排泄物の処理,歯磨き,整容,掃除等を行う
居住環境:賃貸アパートの3階.エレベーターなし,玄関オートロックあり
経済状況:実家の両親から支援してもらっていた.今後は生活保護を受給する話も出たが未定
性格:大らかで,焦りや悲観的な様子はないが,現状を変えるために自ら取り組もうとする様子もない.予後理解には疑問が残る
趣味・関心:インターネットサーフィン,漫画,アニメ,音楽鑑賞.COPMの結果より,「自分の好きなものを食べる」ことと,そのための「自炊をすること」にも興味あり
処方薬:リルゾール(筋萎縮性側索硬化症用剤)50 2T2 朝夕食前,メコバラミン(末梢性神経障害治療剤)300 3T3 毎食前,フルオシノロンアセトニド噴霧剤(抗炎症作用)0.007% 57g 1日2回幹部へ塗布,便秘時にセンノシド錠(緩下剤)12mg,酸化マグネシウム錠330mgを適宜
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