連載 食べる楽しみを支える・第3回
「太柄スプーンで本当にいいの?」自力摂取の環境設定と食事動作
佐藤 彰紘
1
Akihiro Sato
1
1目白大学
pp.1046-1050
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201446
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はじめに
食事場面への作業療法介入において,自助具の選定や食事動作の指導にかかわった経験のあるOTは多いと思います.しかし,「なぜその自助具が必要か?」という根拠を,自信をもって説明できるOTは少ないのではないでしょうか.また,目指すべき食事動作が曖昧で,「とりあえず自分で食べられること」を目標として,食べにくい食事動作の反復練習を行っているOTも多いように感じます.
自助具は食事動作に,食事動作は姿勢に,姿勢は嚥下機能に大きな影響を与えます.つまり,適切な自助具選択や食事動作へのアプローチは,嚥下機能を十分に活かすことにつながり,誤嚥等のリスクを減らすことに寄与するのです.
本稿では目指すべき食事動作,ならびに自力摂取用スプーン選定の考え方について私見を交えて解説します.
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