講座 作業療法士が知っておくべき栄養学・第5回【最終回】
精神科の臨床における栄養とリハビリテーション
阿部 裕二
1
Yuji Abe
1
1国立国際医療研究センター国府台病院
pp.1040-1045
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201445
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Key Questions
Q1:精神科における過栄養・低栄養とは?
Q2:精神疾患と身体疾患の関係性とは?
Q3:食生活支援・栄養教育においてOTと管理栄養士はどのように連携するか?
はじめに
精神科領域において,OTと管理栄養士の連携は以前から多くの施設で行われている.たとえば,社会復帰支援を目的とした多職種によるプログラムであったり,料理教室を協同で実施したりしている事例がある.一方で,2006年(平成18年)から始まった栄養管理実施加算は後に入院基本料に組み込まれ,入院患者の栄養管理がよりきめ細やかに行われることになった.さらに,栄養サポートチーム(NST)の活動が盛んになったことから,栄養管理において多職種で連携することは日常的になっている.かつては精神科における栄養というと,肥満の問題が目立っていたが,近年では低栄養に関する報告が集まっており,過栄養と低栄養の二極化を懸念する声もある.また,社会復帰や地域移行の流れにあるなかで,食生活への望ましい支援について工夫やエビデンスが必要とされている.本稿ではOTの方々と情報を共有したいこれらの事項について概説する.
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