特集 気分障害と作業療法
扉
香山 明美
1
,
長野 敏宏
2
1みやぎ心のケアセンター
2御荘診療所
pp.1079
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201077
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特集にあたって
「何となく気分が重い」,「何をしても楽しくない,何にも興味がわかない」,「自信がもてず,自分が役に立つ人間だとは思えない」等,うつ病チェック項目にチェックをつける人は多いのではないだろうか.今回は現代の病ともいわれているうつ病をはじめとする気分障害の特集である.
厚生労働省の「患者調査」によると,1996年(平成8年)には43.3万人だったうつ病等の気分障害の総患者数は,2008年(平成20年)には104.1万人と,12年間で2.4倍に増加した.うつ病患者の医療機関への受診率は低いことがわかっており,実際にはこれより多くの患者がいることが推測される1).医療機関においては近年ストレスケア病棟を立ち上げ,専門治療の実践が増えてきている.デイケアや就労支援事業所等でのリワークプログラム等,就労支援への取り組みも注目されるようになった.産業保健領域では,労働安全衛生法の一部を改正する法律により,2015年(平成27年)12月からストレスチェック制度の導入が,50名以上の事業所で義務づけられ,「うつ」等のメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みが開始した.
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