特集 作業療法と地域包括ケア
扉
香山 明美
1
,
長野 敏宏
2
1東北文化学園大学
2御荘診療所
pp.1263
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202305
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特集にあたって
国は2025年を目処に,要介護状態になっても「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築」を進めてきている.しかし,さまざまな地域差や認知症等の課題もみられる.本特集は,地域の特性に応じてOTがいかに専門性を発揮し,システムの構築に貢献できるのか,実践例を通して考えることを意図するものである.
地域包括ケアシステムでは,従来「地域」と分けて考えられる傾向にあった「病院・施設」もシステムの一資源として重要な位置づけになっている.すなわち,「病院・施設」で働くOTにとっても不可欠な視点となる.また,政策上は高齢者でスタートしたシステム構築であるが,子育て世代包括支援,生活困窮者自立支援における包括的な支援,また精神障害にも対応した地域包括ケアシステムへと広がり,さらにはすべての人々を対象とし,“支援する側・される側”の垣根も超えた地域共生社会の実現に向けた制度改正につながってきた.つまり,すべてのOTは地域包括ケアシステムにかかわっている(くる)といって過言ではない.そのような視点をもって本特集が活用されることを願っている.
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