特集 精神障害領域の作業療法の展望
扉
小林 正義
1
,
香山 明美
2
,
長野 敏宏
3
1信州大学大学院
2宮城県立精神医療センター
3御荘病院
pp.15
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200451
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特集にあたって
本特集の趣旨は,多様化する精神障害領域の作業療法を鳥瞰し,この領域の今後のあるべき姿を展望することにある.1965年(昭和40年)に理学療法士及び作業療法士法が制定され,今年でちょうど50年を迎えた.この半世紀の間に社会情勢は大きく変化し,精神障害をとりまく施策や障害の捉え方・考え方も大きく様変わりしてきている.かつての統合失調症を中心とする長期在院者の生活機能を維持・向上させるための作業療法は今なお残ってはいるが,一方では,急性期から始まる早期リハ,退院促進と地域移行支援,外来作業療法・デイケア・訪問による地域生活支援,再発予防やリワーク・就労支援等,多様な役割が求められるようになった.また,統合失調症やうつ病等の認知機能障害や認知行動療法への関心が高まる中,心理教育や認知トレーニングを作業療法やデイケアのプログラムに取り入れた実践も増えつつある.
この特集では,こうした多様化する作業療法の役割を整理し,新たなリハプログラムの中で,今後,作業療法がどのような機能と役割を果たしていくべきかを検討する.続く50年に向けて,われわれは新たな作業療法を展開していかなければならない.
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