Japanese
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特集 気分障害と作業療法
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて
Structuring the community-based integrated care systems applicable for mental disorders
鶴田 真也
1
Shinya Tsuruta
1
1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
pp.1080-1085
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201078
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Key Questions
Q1:多様な精神疾患に対応できる医療連携体制をどう構築するか?
Q2:精神障害にも対応した地域包括システムとは?
Q3:自治体をいかにサポートするか?
基本的な考え方
精神疾患はすべての人にとって身近な病気であり,精神障害の有無や程度にかかわらず,誰もが安心して自分らしく暮らすことができるような地域づくりを進める必要があります.また,長期の入院が必要となっている精神障害者の地域移行を進めるにあたっては,本人の抱える複合的な悩みに寄り添いながら解決を図ることが重要であり,医療面はもとより,住まいや生活面,就労面等の多様な支援の提供が必要です.このため,精神科病院や地域援助事業者による努力だけでは限界があり,自治体を中心とした地域精神保健医療福祉の一体的な取り組みの推進に加えて,地域住民の協力を得ながら,差別や偏見のない,あらゆる人が共生できる包摂的(インクルーシブ)な社会を構築していかなければなりません.精神障害者が,地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう,精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進める必要があります(図1).
具体的には,①本人を中心とした多職種・多施設連携を推進するため,障害保健福祉圏域ごとの保健・医療・福祉関係者による協議の場を通じて,精神科医療機関,その他の医療機関,地域援助事業者,市町村等との重層的な連携による支援体制を構築する必要があります.
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