Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:3年制専門学校における臨床実習の実体とは?
Q2:3年制専門学校の課題とは?
Q3:3年制養成校における取り組みと工夫とは?
はじめに
関西総合リハビリテーション専門学校(以下,本校)は,医療法人立で定員40名の,3年制の養成校である.2000年(平成12年)4月に開校し,16年目を迎えた.筆者(長倉)は,「医療現場で働くOTも必要であるが,地域で働くOTの役割も重要であることを卒前教育で伝えたい」という想いから,臨床現場から教育現場である本校に入職して15年になる.養成教育における臨床実習体系を考えた場合,臨床実習指導者と一体となり学生を指導するため,養成校と同一法人で,病院もしくは施設を有している専門学校であることを重視した.
学校の教育システムを構築することは楽しくもあるが,一方で臨床実習施設の不足,学内における学生知識の習得に向けてシラバスの調整,教員間の連携や個別の学生指導等,次々に噴出する学内の課題への対応に追われ,臨床実習に対しても問題意識をもちながら,養成校としての体制はようやく整ってきた状況だ.また,養成校の増加による学生数の増加は,実習地確保の困難さに拍車をかけ,「教員の質」,「臨床実習指導者の質」に関しても,個人の努力だけではなく組織としての指導・育成の機会を担保することが重要と感じている.さらに学生の質の変化を問題視する声が聞かれるが,経験の乏しさから社会性,いわゆる対人交流技能の未熟な学生も多いことは事実であり,社会人入学の割合によってもクラス運営に差が出ることもある.そして臨床現場もまた,社会ニーズの変化によりOTの就労環境も著しく変化してきている.今回,3年制専門学校における臨床実習について,その実体と今後について養成校の立場から述べてみたい.
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.