特集 教育
養成校における教育に関する要望―臨床実習スーパーバイザーの立場より
石橋 朝子
1
1東京都立養育院付属病院
pp.247-248
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102126
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はじめに
我が国リハビリテーション医学の進歩,発展と共に理学療法士(以下PTと略)もリハ医療の重要な担い手,金の卵ともてはやされて,その数2,000余.養成校も雨後のたけのこの如く乱立し,玉石混交,外観だけは正に丘は花ざかりの観を呈する.
しかし現実には今ほど一人一人が専門職としての資質を,きびしく間われようとしている時はない.何時までも確保困難な職種ではない.量より質の時代に入っていることを実地の仕事の中で手きびしく感じさせられる昨今である.
本来,PT教育は学院と病院が隣接し臨床講義が確立していて臨床家も直接講義に携わり,臨床と教育が表裏一体となって進められることが望ましい.臨場感溢れる生きた授業は臨床と教育双方に還元されあって共に有益と考えられるが,諸般の事情で今はそれが許されない.臨床実習は教室授業の最終成果を果す決定的に重要な役割を持ちながら企画の多くは,これまで学校教育側が主体で進められ,臨床実習側は受動的に位置づけられてきた事は教室授業偏向の一つのあらわれであろう.臨床指導者の立場から,紙数の許す限り現状での問題点と教育に関する要望を述べたい.
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