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Key Questions
Q1:作業療法教育(養成)の歴史的流れとは?
Q2:養成施設の集合体とその歴史とは?
Q3:臨床実習の将来的予測とは?
はじめに
本邦において作業療法の養成教育が本格的に始まったのは,1963年(昭和38年)5月1日,東京都清瀬市に創設された,国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院においてである.国立療養所を中心とした附属の専門学校であり,理学療法においては盲学校も加わって,少人数教育で国公立主導の印象であった.その後,私立の養成校も新設され,臨床実習施設,実習指導者,支払額等に関する情報交換も各地区ブロック単位で調整を含め行われた時期もあった.そして2000年代初頭の小泉規制緩和路線に乗り,養成校乱立といわれた時期を経て現在に至っている.
この間,日本作業療法士協会(以下,OT協会)による実習に関する取り決め事項や作業療法臨床教育手引書,標準的実習評価表等の紳士協定が,さまざまな社会状勢の変化により形骸化し,実習謝金等とも併せて一気に多様化していった.地方厚生局による見解も多少異なった印象を受け,解釈の統一化が困難であった時期もあったように記憶している.
いずれにせよ,臨床実習に関しては養成校の教育と実習指導者の協業に負うものである.今までの慣習的方法の堅持か,あるいは革新的変化を受け入れるか,相当な覚悟が必要になろう.
今回,歴史的概観から臨床実習に思いを馳せ,教育内容,臨床実習にかかわる諸事情,実習地確保,実習指導者の質の担保,教育評価の面,養成校と臨床実習地(指導者含む)の関係,臨床実習の実施方法,国会質問,世界作業療法士連盟(以下,WFOT)による最低教育水準とOT協会の話題等を述べる.
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