特集 内部障害への作業療法—リスク管理に留意して
扉
奈良 篤史
1
,
江藤 文夫
2
,
澤 俊二
3
1東京大学医学部附属病院
2国立障害者リハビリテーションセンター
3金城大学
pp.213
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200501
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
特集にあたって
厚生労働省の「平成23年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者実態調査)」の結果によれば,障害の種類別にみた身体障害者手帳所持者は,肢体不自由の割合が全体の44.2%,次いで内部障害が24.1%となっている.内部障害の内訳は,心臓機能障害,じん臓機能障害,ぼうこう・直腸機能障害,呼吸器機能障害の順に多く,身体障害者手帳取得者を対象とした調査では,在宅・通所サービスの利用者は増加傾向にある.このことは内部障害者に対し,OTが貢献できる機会が増えていることを示唆している.
本特集は,OTが内部障害に対する知識と経験を深めるために必要な「リスク管理」に着目して企画している.適切に,そして安全に作業療法を実施するためには,疾患に見合った中止基準や禁忌を含むリスクを,基本に立ち返り確実に把握しておくことが重要である.医療の場面では,薬物に加え新しい医療機器,たとえば人工臓器の利用や移植等の治療が内部障害者に行われるようになっており,作業療法で対応することが求められている.
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.