連載 クリニカルクラークシップに基づく作業療法臨床教育の実際・第5回
臨床実習指導者の立場から—身体障害領域(回復期)
山倉 敏之
1
Toshiyuki Yamakura
1
1筑波記念病院
pp.174-181
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200489
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
回復期リハ病棟は,2000年(平成12年)4月に診療報酬において制度化され,以来,病床届出数は年々増加しており,セラピストの増員は全国的にみられている.
筑波記念病院(以下,当院)は急性期から維持期まで幅広く事業展開している中で,2004年(平成16年)9月に回復期リハ病棟を39床でスタートした.現在は今年度9月に竣工したS棟に移動し,52床で運営している(2015年12月時点).
臨床教育において,リハビリテーション部は15年ほど前より臨床研修に力を入れている.そのころはまだクリニカルクラークシップ(以下,CCS)を導入していなかったが,2004年から組織的な運営体制に移行し,診療グループでの臨床教育のためにCCSを導入したという経緯がある.そこでの指導実績を基にして,徐々に臨床実習指導にも取り入れるようになり,現在に至っている.
医療従事者を取り巻く労働環境が年々変化する中で,当院は時流に沿った事業運営をしていくために,毎年多くのセラピストを採用している現状がある.その中で臨床研修制度を設けて,効率よく,体系的に臨床教育をしていくことは継続的な課題である.また臨床実習を受け入れることは,後進育成だけでなく,臨床教育および求人活動という点で重要な意味をもつ.
このような背景を踏まえ,本稿では,当院の回復期リハ病棟での臨床実習およびスタッフの臨床研修体制におけるCCSの現状について紹介する.
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.