連載 クリニカルクラークシップに基づく作業療法臨床教育の実際・第4回
臨床実習指導者の立場から—身体障害領域(急性期)
花房 謙一
1
Kenichi Hanafusa
1
1地方独立行政法人市立吹田市民病院
pp.80-84
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200465
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はじめに
急性期病院は在院日数が短く,対象者の入れ替わりが非常に激しい.そのため日常業務においては,診療を実施するうえで情報量が非常に多く,それらの整理と解釈,瞬時の判断が求められる.当然ながら,リスク管理が重要であり,学生が診療に参加するためには,学生自身もそういった知識と技術を実習中に身につけてもらわなければならない.
筆者が学生であった20年以上前の臨床現場は,各種画像をフィルムで確認し,生化学データも紙面上で確認する時代であった.2015年(平成27年)現在,電子カルテが普及し,各種画像や生化学データは電子カルテの画面上でいつでも閲覧が可能となり,多くの職種が情報を共有できる時代となった.また,呼吸状態のリスク管理では,動脈血酸素飽和度モニターによって瞬時に呼吸状態が確認できるようになった.近年の病院の機能分化は,急性期病院のリハの役割を主科の後療法と,できるかぎりの二次障害の予防とし,積極的な能力障害の改善は回復期リハの役割という構造を生み出した.その結果,臨床教育における経験も施設によって大いに異なる時代となった.本稿では,急性期病院に勤務する立場から,市立吹田市民病院(以下,当院)で実施している臨床教育の実際を紹介する.
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