増刊号 発達障害の作業療法
第3章 評価・治療・支援技法
10 発達障害分野における道具の活用
小玉 武志
1
,
鴨下 賢一
2
Takeshi Kodama
1
,
Kenichi Kamoshita
2
1済生会西小樽病院 みどりの里
2静岡県立こども病院
pp.864-869
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201394
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はじめに
OTの治療的なかかわりの最終到達点は「生活の改善」である.そのために機能的な改善を目指すだけではなく,今ある機能がより使いやすくなるように環境設定を行う必要がある.日本作業療法士会においても,OTの福祉用具の専門性の向上や,福祉用具の効果的な利用の促進を目的とした組織的な取り組みがなされている1).小児の分野においても,日常生活動作の獲得の遅れや,社会性の低下,学業成績の不振等,児の抱える障害特性が影響を及ぼす範囲は少なくない.これらの問題に対して,適切な環境や道具を利用することで,機能的な問題を解消し,自分でできた成功体験へと導くことが可能である.さらに作業療法を利用する保護者も,児のもつ障害特性の軽減だけではなく,「今困っていること」を改善するために,生活で活用できる支援を求めていることが多い.
本稿では,効果的な道具の紹介と,一部事例を通して得られた効果を紹介する.
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