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特集 運動療法
Ⅱ.中枢性麻痺に対する運動療法
C.中枢性麻痺の運動療法
脳卒中の機能的作業療法
Functional Occupational Therapy for Cerebral Vascular Accidents
鎌倉 矩子
1
Noriko KAMAKURA
1
1東京都老人綜合研究所リハビリテーション医学部障害研究室
pp.969-978
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101362
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脳卒中の機能的作業療法は,人によりゆき方が少しずつ違う.運動療法の上肢版といった趣きのことをする人もいるし,残存機能の活用こそが中心に据えられるべきだとする人もいよう.私は身体機能に関する作業療法の役割は物を操作する機能の改善や確実化にあると考えているので,この稿はその線に沿って述べたい.いうなれば,理学療法は身体そのものの動作に関心を払い,作業療法は身体と対象との対応関係に関心を払うのだと思う.物を操作するのは全身だが,ここでは,主役である上肢に関して述べる.
脳卒中の機能的OTについて,あらためて書くのはむずかしい.いわゆる慣例的なプログラムが存在しているとはいえるが4,8,13,18,19),さてその1つ1つが本当にいいのかと問い直してみると,確認を要する部分や,不明・不足の部分がたくさんあるからである.そう思いながら書くことはほとんど苦痛に近い.現在の筆者にできることは,限られた体験と印象をたよりに,暫定的な考えを述べることだけである.
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