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Key Questions
Q1:作業療法室の現状は?
Q2:作業療法室「だから」できることとは?
Q3:今後、作業療法室でのリハをどう展開するか?
はじめに
「作業療法室でできること」.作業療法室という場所でしかできないことは,やはり「ある」.一方,作業療法室以外でやるべきことも「ある」.私自身,OTという資格をもちすでに30年以上となるが,作業療法室のあり方についてはその時代と共にあるように感じる.思えば入職当時の各作業療法室は,木工や手芸等の作品に囲まれていた.自助具等の福祉用具はほぼ手づくりであったため,木くずや布などのゴミ等が散乱していることも自然であった.でも,なぜか安心感もあった.今では考えられない状況かもしれない.そう振り返ってみると,今の作業療法室は良くも悪くも「何だかキレイ」である.
昨今,地域リハが浸透し,「どこでも作業療法」が可能であろう.普及はまだまだではあるが門は開かれている.2016年度(平成28年度)の診療報酬改定では,疾患別リハビリテーション料が医療機関外におけるリハでも算定できることとなった.これも画期的であり,一方では介護報酬等での作業療法の活動は,「外」であることが多いことは間違いない.今後は作業療法室以外での作業療法の展開もさらに進むであろう.
今回,身体障害分野における診療報酬改定等の振り返りとともに作業療法の臨床の発展を整理する.また,私の勤務先の作業療法室をご紹介し,「作業療法室で何ができるのか」をあらためて考えてみる.地域によって,その場所によって,作業療法室のあり方は異なるかもしれない.しかし,「核」として必要なこと,それはあるだろう.本稿がそれぞれの「作業療法室づくり」のきっかけ・手がかりになれば幸いである.
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